スパーフード ビーツ

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スーパーフード ビーツ

ビーツの原産地は地中海沿岸から西アジア

ビーツは、ビートルート、レッドビート、テーブルビートなどの呼び名もあります。原産地は地中海沿岸で形がカブと似ているので、日本では「赤カブ」、英語でも古くは「Blood turnip(血カブ)」と呼ばれることもありました。ですが、アブラナ科に属するカブとは姿が似ているだけで、ビーツはほうれん草と同じ、アカザ科に属します。

砂糖の原料となる甜菜(テンサイ)と同じ仲間で、根菜としてはかなりの甘さを誇ります。輪切りにすると赤と白の年輪のような模様が現れます。この模様や、葉の軸と葉脈が赤いことから「火焔菜」という和名につながったようです。

日本ではロシア料理のボルシチに使われる根菜というイメージが強いですが、ヨーロッパでは昔から健康によい野菜として知られていました。古代ローマ人は発熱や便秘の治療にビーツを使ったと伝えられています。

ビーツの赤色は、赤い色素「ベタシアニン」と黄色の色素「ベタキサンチン」によるもの

ビーツと言えばその赤い色が特徴ですが、これは赤紫色を発色する「ベタシアニン」と黄色を発色する「ベタキサンチン」によるものです。この2つの色素は総称して「ベタライン色素」と呼ばれており、この2つの色素のバランスで、赤色以外にも黄色やオレンジをした品種もあります。しかも、ベタライン色素は高い抗酸化作用を持っています。

ビーツの産地や旬は?

ビーツは輸入ものが多く、主な輸入元はオランダ、オーストラリア、ニュージーランドなどです。国内では長野や茨城などで栽培されています。海外産はほぼ通年で手に入ります。国産のものは年に2回収穫が可能で、6月~7月、11月~12月が旬になります。

ビーツはカリウム、ナトリウム、カルシウムなどのミネラルやナイアシン、パントテン酸などのビタミンB類、食物繊維などが含まれるほか、ベタシアニン、ベタインなどほかの作物にはなかなかない成分が含まれています。

さらに近年ではビーツに含まれる「ラフィノース」というオリゴ糖の働きや、ビーツの赤色を示すベタシアニン、ベタキサンチンが持つ抗酸化作用、さらに血管拡張作用のあるNO(一酸化窒素)の、体内での産生を促進する成分が含まれており、その生理作用に注目が集まっています。

注目を集めるビーツの成分「NO(一酸化窒素)」

最近、健康への関心が高い人たちの中で、特に注目を集めているのが、ビーツを摂取することにより体内で産生されるNO(一酸化窒素)です。NO(一酸化窒素)と言えば、感染や炎症により体内で慢性的に過剰産生されると生活習慣病の悪化にもつながりますが、実は私たちの生活の中(食事や運動)で、NOは体の中で一定量が産生され、大切な役割を担っています。

この産生されたNOには血行を改善すると同時に、血管をやわらかくする働きがあり、血管の中で血栓の発生を防ぐといわれており、動脈硬化の予防につながります。狭心症の患者にニトログリセリンが処方されるのは、ニトログリセリンが体内で加水分解により産生される、NOによる血管拡張作用を誘導するためです。

また血行を改善することは、持久力アップや疲労回復にも効果を発揮します。さらに基礎代謝のアップにもつながるので、運動能力のアップのほか、ダイエット効果も期待できる、注目の野菜なのです。

ビーツの成分「NO(一酸化窒素)」の働きが、ノーベル生理学・医学賞を受賞

体内におけるNO(一酸化窒素)の大切な働きの発見によって、3人の科学者、ルイス・J・イグナロ氏、ロバート・ファーチゴット氏、フェリド・ムラド氏は、1998年、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。この研究成果もあって、最近、スーパーフードとしてのビーツに注目が集まっています。

NO(一酸化窒素)の産生を増やせば血管力がアップ  

脳卒中や心筋梗塞を防ぐために、しなやかで柔らかい血管を保つこと、すなわち血管力を高める方法はいくつかありますが、NO(エヌオー:一酸化窒素)の産生を増やすこともその1つです。血管内で発生するNO(エヌオー:一酸化窒素)という物質は、血管を柔らかくすることが分かっています(※1)。運動不足が気になり、運動能力に自信がなくなる中高年でも、簡単な日常動作でNOを産生させることができます。さらに、NOの産生を増やす食事をとることで効果が高まります。

ビーツの健康効果1:むくみの解消、高血圧の予防

ビーツには、レタスやトマトの2倍以上のカリウムが含まれています。カリウムは体内の余分なナトリウム、すなわち塩分を排出する働きがあり、むくみの解消につながります。また塩分を排出して血圧の上昇を防ぐため、高血圧の予防にもなります。

ビーツの健康効果2:動脈硬化の予防

パントテン酸は血液の中のLDLコレステロール、いわゆる悪玉コレステロールを減らし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす作用があります。動脈硬化の予防につながります。

ビーツの健康効果3:抗酸化作用によるがんの予防

ビーツの特徴的な色をつくり出している色素ベタシアニンは、ポリフェノールの一種。強い抗酸化作用を持っています。体の中の活性酸素を取り除いて、老化を防ぐとともに、細胞ががん化することを防ぎます。

ビーツの健康効果4:腸内環境を整える

ビーツには食物繊維のほか、天然の難消化性オリゴ糖「ラフィノース」が含まれています。腸内の環境を整えて善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制する効果が期待できます。また便通を改善することで、老廃物を体外に排出しやすくします。

ビーツの健康効果5:肝機能を高める

甘味成分であるベタインには、肝機能を高め、肝臓に脂肪がつくことを防ぐ働きがあります。肝硬変や肝脂肪の予防につながります。

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